生活習慣病とは
生活習慣病はその名の通り、普段の生活習慣が原因で発症する病気のことです。喫煙、偏った食事、食べ過ぎ、飲みすぎ、運動不足、睡眠不足など、好ましくない生活習慣が積み重なると生活習慣病になる可能性が高くなります。初期段階ではほとんどの人が無症状で生活に困る事がないため、生活習慣病を軽視する傾向があります。しかし、実は生活習慣病はとても怖い病気なんです。
生活習慣病の主な病気
- 高血圧
- その名の通り、血圧が正常値よりも高い状態のことです。とはいっても、カラダを動かしたり食事をしたりすれば血圧は上がります。高血圧とは、安静にしている状態で血圧が高いことです。血圧が高いということは、当然血管にかかる負担が大きいので、血管が傷ついたり血管が硬くなったりして動脈硬化になりやすくなります。
ただ、自覚症状がないため、定期的に検査を受けていないと気づきません。 - 糖尿病
- 糖尿病は血糖値が高くなる病気です。血糖値とは血液中の糖分の濃度のこと。なぜ血液中の糖分が濃くなるのかというと、それは膵臓の細胞と関係しています。膵臓には「インスリン」と呼ばれるホルモンを分泌する細胞があります。そして、そのインスリンは血糖値を一定に保つ働きがあります。しかし、細胞のインスリン分泌が少なくなったり働きが悪くなると、血糖値を一定に保てなくなり、血液中の糖分が濃くなるのです。血糖値の高い状態が続くと、尿の量が多くなったり、喉が渇くことが多くなったり、体重が減ったり、疲れやすくなったりします。
- 脂質異常症(高脂血症)
- 脂質異常症は、血液に含まれるコレステロールや中性脂肪などの脂質が一定の基準よりも多い状態のことです。健康な人であれば血液はサラサラですが、脂質が多いため、血液はドロドロに。動脈硬化を起こしやすくなります。
脂質異常症も高血圧と同様、自覚症状がないため、定期的に検査を受けていないと気づきません。
生活習慣病による合併症
高血圧、糖尿病、脂質異常症と生活習慣病になっていたとしても、大した自覚症状がないため、大丈夫と思う方もいます。しかし、生活習慣病で怖いのは、生活習慣病自体ではなく生活習慣病が原因となって起こる別の病気なのです。それを「合併症」と言います。生活習慣病で怖い合併症を紹介します。
- 脳卒中
- 脳の血管になんらかの障害が起こる病気です。脳の血管が破れたり、脳の血管がつまって血液が流れなくなったりします。
- 心筋梗塞
- 心臓の筋肉に血液を送る冠動脈が塞がってしまい、心臓の筋肉に血液が流れなくなる病気です。
- 狭心症
- 心臓の筋肉に血液を送る冠動脈の血流が悪くなり、心臓の筋肉に酸素の供給が不足する病気です。胸の痛みや圧迫感が生じます。
当院での診療について
上記の合併症はほんの一部で、他にも様々な合併症があります。当院では、生活習慣改善のアドバイス、また状況に応じて投薬などの生活習慣病治療も行っています。健康診断でひっかかった、不規則な生活を送っているのでちょっと気になる、などお気軽にご相談ください。
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食事療法
疾患の状況に応じて、適切な食事量やメニューを指導するのが食事療法です。食事療法で重要なのは、体の活動量に合わせたメニューでありつつ、必要な栄養素ももれなく摂取することです。なおかつ油や塩分は控えめにしなければなりません。
患者様お一人では達成するのが難しいため、当院では食事療法を成功に導けるよう丁寧にサポートいたします。 -
薬物療法
生活習慣病に関しては食事療法と運動療法を中心に行うのが基本的な流れです。しかし、食事と運動で効果がみられない、もしくは最初から改善が難しいことが予想される場合には薬物療法を行います。
疾患によって適切なお薬は異なり、患者様の体質によってもメリット・デメリットがあります。必ず詳しく状況をヒアリングしたうえで、お薬を処方いたしますので、ご安心ください。
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運動療法
適切な運動によって、血圧や血糖値を改善し、HDLコレステロール(善玉コレステロール)を増やすことです。特に効果的なのは、ウォーキング、サイクリング、水泳(水中歩行)など、体に少しだけ負荷がかかるような運動です。ただし、運動療法は適切に行わないと効果が見込めません。しかも適切な量以上の運動をしてしまうと、かえって体にとってはマイナスになることもあります。
そこで当院では、一人ひとりの状況に応じて食事療法と運動療法を継続できるよう、丁寧にアドバイスいたします。
体組成計検査
体内の筋肉量、体脂肪量を部位別に評価でき、内臓脂肪量や代謝の良さ等を知ることができる検査です。身長と体重のバランスや見た目は人それぞれ。体重オーバーでも筋肉量が多いだけで実は健康な場合や逆にスリムな体形に見えても内臓脂肪が多く健康ではない場合もあります。体組成計で身体の組成を詳細にチェックすることでそれぞれの方にあった生活習慣の改善方法を知ることができます。
体組成とは
私たちの体を構成する筋肉、脂肪、骨などの組織を総称して「体組成」と呼びます。体組成には健康のための指標があり、バランスが崩れると、体調不良、肥満、生活習慣病などのリスクを高めてしまうのです。重要なのは各数値のバランスです。体重、体脂肪率、脂肪量、筋肉量などを測定して初めて、適切な健康管理を行えるようになります。
体組成検査でわかること
体組成計検査をすると様々な体の変化に気づくことができます。具体的には「筋肉量の推移」「皮下脂肪や内蔵脂肪の増加傾向」などです。つまり、体重計や体脂肪計だけでは本当に健康かどうかは判断できません。体組成計検査によって、いわゆる「かくれ肥満」など根本的なトラブルを迅速に発見できます。結果的に適切な食事療法や運動療法のアドバイスできたり、誤ったダイエット方法を防いだりする効果が期待できます。
自分でできる予防法
生活習慣病の多くは、初期のうちならば、私たち自身が食生活や日常の習慣などを見直すことで、自分で予防したり症状を改善することができます。
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運動
- 家事で体を動かす
- 階段を使う
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食事
- 食事は腹八分目
- ゆっくり噛んで食べる
- 1日3食きちんと食べる
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たばこ
- 吸いたくなったら気分転換
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飲酒
- 休刊日をつくる
- ほろよいでやめる
- 食べながら飲む